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野田佳彦元首相の追悼演説 憲政史上に残る名演説の予感、菅前総理を意識か

政治家

はじめに
故安部元首相の衆院本会議での追悼演説を行う人が、野田佳彦元首相に決まりました。

7日、自民党の高木国会対策委員長は立憲民主党の安住国家対策委員長に対し、「ご遺族・自民党の総意」として要請、野田元総理も受託したとの事。

以前から、野田氏は候補として名前が挙がっていましたが、正式に決定となったようです。

首相経験者で首相の立場も知りうる野党所属の野田氏に決まったことで、党派を超えて歓迎する声が強まるのではないでしょうか。

野田元首相といえば、2011年の民主党代表選での、いわゆる『どじょう演説』など、演説のうまさ、心に残るスピーチをする点で、政界随一の名演説家ではないかと思います。

今回の追悼演説も、党派や主義主張を超えて多くの人に称賛される名演説をやってのけるのではないでしょうか。

そこで、今回は改めて野田元首相のプロフィールや、追悼演説要請の背景、野田氏の思惑、演説後の反響の予想などをしていきたいと思います。

最後には、安倍元首相と野田元首相の運命的な関係についても考察します。

野田佳彦元総理のプロフィール

生年月日  1957年5月20日(65歳)
出身地   千葉県船橋市
学歴    早稲田大学政経学部卒業
職歴    松下政経塾(1980~1985年)
      千葉県議会議員(1987~1993年)
      衆議院議員(1993~1996年、2000年~)
公職    財務大臣(2010~2011年)
      総理大臣(2011~2012年)

追悼演説の要請の背景

元来、総理大臣や党首クラスの追悼演説では、対立政党の党首などが行うのが慣例のようです。

例)
対象議員          演説した議員
浅沼稲次郎(社会党党首)  池田勇人(首相)
大平正芳(元首相)     飛鳥田一雄(社会党党首)
三木武夫(元首相)     土井たか子(社会党党首)
小渕恵三(元首相)     村山富市(元首相)

底流にある考え方としては、国権の最高機関である国会での追悼演説なので、ライバル政党の党首クラスが党派や政治信条の枠を超えて弔意を表すものというふうに理解します。

慣例に倣えば、野党第一党である立憲民主党の泉健太代表ということになりますが、安倍氏の総理大臣としての『格』を考えると、やはり釣り合わないというのが正直なところです。

そうなると、他の候補としては菅直人元総理か野田元総理の二択に絞られます。

この二人のどちらか、という選択であれば、世論も含めどう考えても野田元総理の方が適任ということになりますね。

また、追悼演説を誰がやるかは遺族の意向も踏まえるとされています。

昭恵夫人の意向も反映されているのでしょう。

また当初、自民党の甘利明氏の名前も取りだたされていました。

今思うと、悪い冗談としか考えられないですね。

当時はまだ国葬問題・旧統一教会問題もそれほど大きく取り上げられてはいなかったので、政権内でも慣例を無視して好き勝手にやる、やれる、という空気があったのでしょう。

身内の人間が歯の浮くような美辞麗句を並べても、決して心に響かないでしょうし、笑いを取ろうとしても聞いている多くの人は白けてしまいます。

甘利氏という観測が流れる事自体に、自民党の驕り、気の緩みがあったのではないでしょうか。

結果的に、野田元総理に落ち着いて良かったのではないでしょうか。

野田氏も周到に準備で『菅氏超え』を意識か

野田元総理は、今回の追悼演説の受託に際し、「誠に荷が重い話だが受託させていただく」と語ったそうです。

「誠に荷が重い」とへりくだりった上で、「受託する」としています。

言葉は短いですが、野田元首相の見識、元総理としての矜持を感じます。

「誠に荷が重い」のはある程度本心から出た言葉でしょう。

総理大臣経験者として、8年近くも総理大臣を務めたことが如何に大変なものであるかを心底から理解しています。

そのことが、国葬出席に際し、「総理経験者として参列しないことは自分の価値観に合わない」との発言につながっています。

野田元首相もある時点からは、自分が追悼演説をやるということは意識していたでしょう。

やるからには、より多くの議員・国民から称賛される演説にしたいと思っているに違いありません。

野田氏としては、この演説によって何か政治的に自分の立場をどうこうしたいとは思っていないだろうと推測します。

普通であれば、総理大臣まで経験した人が、今更ギラギラした欲もないでしょう。

そう思いたいところです。

しかし、演説をやるからにはより多くの国民に共感され、後世に残るような感動的な演説をしたい、と思うのが普通です。

そして、意識しているのは、国葬での菅前総理の弔辞、すなわち『菅前総理超え』を密かに狙っているのではないでしょうか。

歴史に残る名演説の予感

演説は10月中に行われるとのことです。

ある程度準備の期間もあることから、野田元総理は入念な準備をして本番に臨んでくると思います。

安倍元総理とのエピドードとしては、あの2012年11月14日の党首討論でのやりとり思い出されます。

16日に解散します

と放った当時の野田総理の解散宣言。

党首討論で解散の予告をするという、ある意味捨て身の作戦にでました。

その言葉を受けた安倍総裁(当時)は明らかに表情が変わり、動揺を隠せません。

今思えば、全てはあの時、あの瞬間から始まりました。

安倍一強時代の起点ともいえる野田総理との党首討論。

そう考えると、野田元総理こそまさに追悼演説を行うにふさわしい人ではないでしょうか。

党首討論の話題に触れることはまず間違いないでしょう。

涙あり、感動あり、笑いありの後世に残る名演説の予感がします。

野田氏の再評価につながることは間違いないでしょう。

前の菅前総理の国葬での演説からによる再評価も含め、歴代総理との比較感から、岸田総理の資質の問題、物足りなさがよりクローズアップされる可能性もあると考えます。

また、野田氏の演説を機に、一連の国葬問題、旧統一教会問題の話題も少しトーンダウンし、世の中の関心の矛先も変わってくる気がします。

安倍一強時代の『起点』となった野田との党首討論、その『終点』も野田氏で締めくくる。

野田氏にとっては何とも言いようのない運命のめぐりあわせですね。

野田氏も今回の演説での再評価を契機に、大所高所からより一層存在感を発揮してほしいと思います。

今回は以上です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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