こんにちは、kazuです。
日本将棋連盟の佐藤康光会長が4月4日会見を行い、今年6月の任期をもって退任すると発表しました。
その後、羽生善治九段が理事を選ぶ予備選挙に立候補することを表明しました。
将棋界は羽生善治九段による新体制が誕生する運びとなりそうです。
何故佐藤会長が退任し、羽生九段が次期会長に就任するのか。
その理由や背景を考察してみたいと思います。
佐藤康光会長の辞任の背景は
佐藤康光会長は、2017年2月に、三浦弘行九段の「ソフト指し」疑惑の対応のまずさから辞任した谷川浩二九段(現・十七世名人)の後任として、会長に就任しました。
会長在任期間は6年を超え、当初の想定以上に長期に渡り在任されたのではないかと思われます。
この間、藤井竜王(六冠)の空前のブームや、AbemaTVによる観戦の普及、AIによる評価値の使用、女流棋士の実力向上・認知度アップなど将棋界は常に話題満載で、佐藤会長の功績は非常に大きいものがあったと思います。
棋士としても、昨年度まで順位戦最上位クラスのAクラスに、50代でただ一人在籍するなど、
衰えを感じさせない活躍を見せておられました。
このタイミングでの勇退は自然な流れと言えそうです。
後任は羽生善治九段の立候補は意外?
歴代の日本将棋連盟の会長は、大山康晴十五世名人や中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖など実績のある棋士が就任してきました。
その意味では、羽生善治九段は最適任者ということは間違いありません。
・タイトル通算獲得数は歴代1位の99期
・史上初の全7タイトル制覇(1996年)
・獲得した7タイトル全てで永世称号資格者に(2017年)
・国民栄誉賞受賞(2018年)
など、誰もが知っている将棋界の絶対的王者です。
しかし、羽生九段は
・これまでに弟子を取っていない
・連盟の役員を経験したことがない
など、将棋界の発展・普及活動には消極的とされてきました。
「盤上で結果を出すことが将棋の普及・発展につながる」
こういった信念もあったのではないかと思われます。
ただ、連盟会長に就任するということは、
日々の運営業務に加え、
スポンサーとの交流や新規開拓
各種セレモニーの出席
など、激務が予想され、
将棋の研究時間は大幅に削られることになります。
端的にいえば、タイトル戦への登場など棋士として第一線で居続けることへの
こだわりを捨てた、とも思えます。
自分の勝負にこだわり続けてきた羽生九段としては、
大きな決断ではなかったかと思います。
羽生九段会長誕生の背景は
佐藤康光会長も6年を過ぎ、藤井竜王(六冠)ブームや、AbemaTVによる「観る将」の普及
女流棋界の実力・地位向上など、将棋界は今とても勢いに乗っています。
タイミング的に、後任に託したいと思うのは当然の流れだったのではないかと思います。
後任については、佐藤会長体制発足時に専務理事も務めた、森内俊之九段(永世名人資格保持者)が、自然な流れだったのではないかと思います。
しかし、羽生九段に白羽の矢が立ったということは、
佐藤会長や森内九段、さらには谷川十七世名人などからの強いプッシュがあったのではないかと思われます。
実績重視でこれまで会長が選ばれてきた歴史や、将棋界の「顔」として、誰が最もふさわしいか、を
考えた場合、間違いなく
羽生善治九段の一択
であるからです。
羽生善治九段としても、今年の王将戦7番勝負で藤井王将に挑戦し、
2勝を挙げたものの敗退となったことで、ある意味踏ん切りがついたのかもしれません。
また、佐藤会長、谷川十五世名人、森内九段からすれば、
「もう逃げられませんよ」
と、ある意味での引導を渡したのかもしれません。
この流れが本当だとしても、最終的に決断に至ったのは、
奥さまの羽生理恵(元女優・畠田理恵)さんの一押しではなかったかと思われます。
羽生体制での他の役員は誰?
羽生九段の脇を支える連盟の役員としては、
小学生時代からのライバルで、共に一時代を築いた
森内俊之九段(52)
羽生九段の研究仲間で、棋士からの信頼が厚くファンも多い
木村一基九段(49)
羽生九段の研究のサポートの役割を担っている方として有名で、八王子将棋クラブの後輩でもある
長岡裕也六段(37)
などの顔ぶれが予想されます。
羽生善治九段の将棋連盟会長についてのまとめ
- 羽生善治九段が将棋連盟の会長になるというのはやや意外
- 藤井王将への挑戦で敗れたこともあり、心境の変化もあったと思わる
- 佐藤九段や森内九段からのプッシュもあったと予想
- 理恵夫人の後押しが最終決めてになったか
- 新体制の役員には森内九段、木村九段、長岡六段などの顔ぶれが想定
羽生新体制、実現するのなら将棋界、将棋ファンにとっては願ってもないサプライズですね。
会長としてどんな「羽生マジック」が見られるのか、楽しみです。
今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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